現在、墨田区の未就学児の保育所入所率は約50%です。残りの半分は在宅で子育てをしているということです。私は、待機児童解消に偏重せず、在宅で子育てしている方々への支援も拡充していくべきだと考えています。
特に、現在2か所ある子育てひろばは、在宅子育て支援の拠点とも言える非常に良い施設なのですが、扱いが悪いので、機能拡大と、できればもう一か所の増設をこれまでも求めてきました。
墨田区は児童館の機能拡大等で対応する考えのようですが、老朽化した建物が多く、改装しても限界があるため、十分に需要を満たすことができるか疑問に思っています。

9月の第3回定例会で、「両国リバーセンターの整備について」議会で報告がありました。
現在の東京水辺ライン両国発着場と、両国子育てひろば、北側の駐車場を併せた土地に、発着場の機能強化とにぎわい創出の複合施設を建設するというものです。

新しくできる施設に、両国子育てひろばが戻ってくるということですが、これには強い違和感を持ちました。
現在の両国子育てひろばは、①立地があまり良いとは言えません。②国技館の向かいなので、相撲の開催期間中は人出が多く、自転車やベビーカーで通うには不便です。③にぎわい創出の施設と子育て施設の相性に疑問があります。④子育て施設が入るという条件を無くした方が、事業者も有利な提案ができることが考えられます。

家庭センター跡地


そこで、考えていたのが、今年の4月で廃止となった亀沢の家庭センター跡地の活用です。今年策定された「墨田区基本計画」では家庭センター跡地は認定子ども園を設置することになっています。本所地区のほぼ中央に位置し、区有地としては比較的大きく、公園に隣接する好環境の土地に、2階建ての認定子ども園だけを建ててしまうのは、非常にもったいないと思います。
墨田区は今後の公共施設整備は複合施設という方針を持っているので、この際、家庭センター跡地に、1・2階は認定子ども園、3・4階は子育てひろばの機能を移転させると良いのではないかと思っていました。
①立地が良いので広範囲から利用者が集まることが見込めます。②5階建てが4階になるので公共施設の床面積も減らせます。③子育て支援施設同士なので相性が良く、使いやすいものになることが期待できます。
このようなメリットが考えられますが、デメリットはあまり思いつきません。
私は区民文教委員会に所属しているので、所管の委員会で発言できないため、以上のことを第4回定例会の産業都市委員会で同僚議員に提案してもらおうと考えていました。

しかし、第4回定例会の福祉保健委員会で、家庭センターの跡地に2階建ての保育所を整備したいという報告がありました。これを了承してしまうと、数十年間用途が固定されてしまうので、自民党会派で、高度利用をして複合施設化できないかという提案を行いました。
保育所整備の補助金の関係等もあるため、可能性を検討するという区長側の答弁がありましたので、今後良い方向に進んでいくことを期待しています。
加えて、両国リバーセンターについては、墨田区が子育て施設を設置することで東京都との協議がまとまっており、この仕組みを変えることは難しいとのことでした。ただ、子育てひろばを戻すことが必須というわけではなさそうです。

現在の両国子育てひろばでは、ひろばの他に一時預かりと定期利用保育を行っています。この一時預かりの枠が現在は1つしかなく、例えば兄弟同時に預けられない等の不具合が出ています。また、定期利用保育は想定していたパートやアルバイトの方々の利用はなく、保育園に入所できなかった方々が9時から17時まで預けているという、保育所の代替施設になっており、本来の意図とは違った利用状況です。

この状況を改善するために、亀沢の家庭センター跡地にはひろば機能を移転し、両国リバーセンターには一時預かりと定期利用保育を拡充して入れたらよいのではないかと考えています。
にぎわい創出の施設との相性を考えると、世田谷パブリックシアターなどで行っている託児サービスなども、国技館の相撲や公演で使えるようにするのもよいかもしれません。

なんとか子育てひろばの機能拡充が実現できるように提案を行っていきたいと考えています。

来年早々にも更新したいと思います。
読者はほぼいないと思いますが、皆様が良いお年を迎えられることをお祈りいたします。