今日は節分ですね。今日までに更新すると前回書きましたが、何を書こうか迷っているうちに今日が来てしまいました。
今回は以前に区政報告会でお話しした区内の清掃用地について書きたいと思います。
平成12年に、それまでは東京都が行っていたごみ収集などの清掃事業が23区に移管されました。それに伴い、清掃事業を行っていた土地と建物が、20年間の用途指定期間を設けた上で各区に譲与されました。墨田区では、業平橋のすぐ近くの業平詰所や、大江戸線両国駅そばの亀沢待機所などです。

それ以降、ごみ自体が減ったことや、ごみ収集の民間委託が進んだことなど、様々な要因により、譲与された施設が、現在では特定のフロアを除くとほとんど利用されていません。20年間の用途指定期間の間は、清掃事業にしか使用してはいけない取り決めになっているため、不要なスペースが余っていても、他の施策では使用できないためです。
確かに、清掃事業の質を担保するためにも、用途指定期間を設けることは理解できます。しかし、現実として、公共施設がほとんど利用されていない実態を、放置し続けることが許されていいものか非常に疑問です。ここまで大きな状況の変化があるのならば、用途指定期間の前倒しを行っても良いのではないかと思います。
老朽化した施設の代わりに事務所等を入れるなど、これらの清掃用地を活用して小規模でも公共施設の再編が行えれば、解決できる課題がいくつもあるはずです。空いたスペースを利用して、間接的に待機児童対策や健康施策、観光施策など、他の施策が推進できるのではないでしょうか。清掃事務所本体を除いた清掃用地の建物の延床面積で3500㎡を超えるのですから。
これは墨田区だけではなく、他の区でも同じことが起こっているようです。

江東区の清澄白河の施設も、一見するとほとんど使われていないようです。江東区のHPを探してもどのように使用されているのか不明です。都から各区へ譲与された清掃用地は91あり、他区でも同様の状況になっているようで、23区全体の課題と言えそうです。
用途指定期間が終わるのが平成32年で、残り4年と期間は短いですが、1年でも早く23区が自由に活用できるようになることは都民全体にとっても有益だと思いますので、ぜひ実現してほしいと願っています。
そこで、一昨年の本会議の代表質問で、区議会自民党は山本区長に対し、23区の区長が集まる場で、用途指定期間終了の前倒しを東京都と協議できるように働きかけてほしいと要望しました。これを受けて、山本区長は、23区の区長会で問題提起を行ったと聞いていますが、その後の進展はないようです。区長の方々の共通認識にはなっていないのでしょうか。
一方で、昨年6月ごろ、杉並区が清掃用地を保育所にするために東京都と協議をしているという報道がありました。その後発表された東京都の「待機児童解消に向けた緊急対策」の中では、「清掃事務所や公営住宅など、事務事業移管で都から区市等に譲与した財産について、これまで 使途を制限していましたが、指定した用途に支障がない限り、待機児童解消を目的とした保育施設 の早期設置のため、無償で速やかに用途変更を承認します。」という方針が出されています。
私は、清掃用地のような23区全体の課題については、23区が一体となって対応する方がよいと考えています。ですので、各区がそれぞれの施設について東京都と協議している現状には強い違和感を覚えます。また、待機児童解消は確かに非常に重要な課題ですが、23区はそれぞれ待機児童以外にも重要な行政課題を抱えており、用途変更を承認するのであれば目的を限定するべきではないと思います。
本音は、亀沢待機所、業平詰所、東向島の分室はいずれも築20数年と比較的新しく、そのまま保育施設に転用できそうな形状をしていないからなのですが。ただ、用途変更が認められれば、古い施設に入っている事務所等をこちらに移転させ、跡地の整備で待機児童解消も考えられますよね。
いずれにしても、用途指定期間終了の前倒しについては、これから予算特別委員会や定例会があるので、会派として求めていけるよう努力したいと思います。
また、東京都でも、都議会からでも都知事からでもよいので、提案が出てこないものかと、限りなく透明に近い、淡い期待を持っています。
実現すれば23区のほとんどの区長や区議会議員から感謝されると思いますがいかがでしょうか。今年は都議会の選挙もありますし。
なるべく10日までには更新したいと思いますが、これから予算のことなどがありますので、少し遅れるかもしれませんが、なるべくペースを落とさないようにしたいと思います。