墨田区議会では、6月6日から第2回定例会が開かれています。6月6日から8日までの3日間本会議が開かれ、各会派の代表質問と、6名の議員の一般質問が行われました。
墨田区議会自民党の代表質問は、副幹事長の坂井ユカコ議員が行いました。自民党では、執行部の期が若い順に第2回定例会から代表質問を行うことが慣例となっています。

今回の代表質問では、公共施設のあり方や大学誘致、住宅宿泊事業法(民泊新法)、地域力についてなどを区長及び教育長に質問しました。
中でも、地域力については、その定義が全く区民に周知されていないので、条例なり宣言なりで明文化することを引き続き求めました。
地域力の定義については、区長が「人と人とのつながりで地域の課題を解決する力」と答弁しましたが、明文化することについては言及がなかったように聞こえました。
地域力について色々な自治体の概念や定義を調べてみると、概ね「○○によって地域の課題を解決する力」となっています。また、地域力の定義についてはそれぞれの自治体や団体で自由に決められるようです。皮肉を書けば、現時点で「人と人とのつながりで地域の課題を解決する力」という定義は唯一のものなので、区長の言う「地域力日本一」は達成されているのかもしれません。

それはさておき、私は、行政が「地域力」と掲げて事業を予算化するのであれば、「課題を解決する力」と定義することに疑問があります。
例えば、今年度予算では「文化芸術活動・地域力向上事業助成費」が計上されています。今回の定義とされている「地域の課題を解決する力」から考えると、文化芸術と地域力をセットで掲げているということは、文化芸術分野で課題があると墨田区は考えていると捉えてしまいます。しかし、文化芸術分野では、すみだトリフォニーホールとすみだ北斎美術館だけでも5億円以上の予算を計上しています。これだけの投資を行っているにもかかわらず、なお文化芸術に課題があると考えているのならば、区長の言う民間感覚と大きく乖離しているのではないかと勘繰りたくなります。
考えが古いのかもしれませんが、私は、「地域力」というと町会活動やPTAなどの学校関係の活動が第一に思い当ります。防犯パトロールや高齢者の見守り、町会のイベントなど、それぞれが行っている活動は、課題解決と言うよりも、地域住民の生活に何らかのプラスをもたらしているのではないでしょうか。

墨田区では、「課題解決」にこだわらずに、「価値を高める力」や「区民生活に好影響を与える力」のような定義にした方が良いのではないかと私は考えています。
いずれにしても、近い将来に区長から墨田区の「地域力」とは何であるのか示されることを期待しています。